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【台風19号】最新情報 一生で1、2度あるかどうかレベルの記録的大雨・暴風

こんにちは!
気象予報士・お天気キャスターの小林正寿です。

12日(土)は、台風19号の接近により、大荒れの範囲が広がります。
関東と東海を中心に、一生のうちで1度、2度程度しか経験しないような、歴史に記録が残るような大雨や暴風となる見込みです。
台風19号の最新情報をお伝えします。

12日(土)夕方~夜に東海・関東に上陸へ

台風19号は、12日(土)午前7時、『大型』で『非常に強い』勢力を保っているとみられます。

12日(土)夕方~夜には、『非常に強い』勢力を保ったまま、関東か東海に上陸する見込みです。

その後も、暴風域を保った状態、つまり極端に勢力が衰えることなく、北日本に近づきます。

これまで、東海と関東に『非常に強い』勢力で台風が上陸したことはありません。

サイズも、先日千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号の2倍近くあります。

ということは、千葉県のような大規模停電、断水、家屋被害、倒木など、甚大な被害が、かなりの広範囲で発生してしまうおそれがあります。

東海や関東のかたを中心に、これまで経験したことのない、大変危険な台風が近づいてくるということです。

上陸前から大荒れ・中心過ぎても危険続く

先に、台風の上陸タイミングは12日(土)夕方~夜だとお話ししましたが、上陸タイミングはあまり重要な話ではありません。

台風の上陸というのは、台風の『中心』が陸地に乗ったタイミングのこと。

台風というのは中心の周りにも危険な雨雲、危険な風の範囲が広がっていますので、台風の上陸前から中心前方の危険雨雲・風の範囲がかかり危険な状況になりますし、中心が去ったあとも、後方の危険な範囲がかかります。

特に今回のこの台風19号は、サイズも大きいので、危険な時間帯が長いのが特徴です。

     

『いつ上陸するか』という言葉や、『中心が離れた』などの言葉が一人歩きし、間違った安心感を与えてしまわないように、私たちは気を付けなければなりません。

もしこの記事をお読みのかたがいらっしゃれば、周りのかたに、『中心ばかり注目しちゃダメだよ。中心が来る前も去った後も危険なんだよ』とお伝えいただけたら嬉しいです。

それでは、実際に雨と風の予想を見ていきましょう。

ご覧のように、12日(土)午前9時には、台風中心を示す渦巻きは紀伊半島の南に位置しており上陸前ですが、関東甲信や東海、北陸を中心に大雨や暴風の範囲が広がります。

日中は、大荒れの範囲が広がり、全国の広い範囲で外出が危険なレベルです。

雨があまり降らない西日本も、暴風が吹き荒れます。

とうとう上陸のタイミングとなる12日(土)夕方~夜。

広い範囲で、外出危険レベルの状況が続きます。

特に、関東甲信や東海、北陸、東北南部では、これまでの人生で経験したこのない、歴史に記録を残すような大雨や暴風となる所も多くなるおそれがあります。

暗い時間帯も大荒れです。

東北地方の大荒れのピークを迎えます。

雨がやんでくる関東地方なども、暴風が長引きます。

台風の中心が過ぎても、危険が続きます。

    

13日(日)の朝には、危険な雨雲は陸地から離れますが、危険な風は午前中を中心に残りますので、台風の後片付けなどは、状況を見て判断してください。

特に、高所での作業は、風が強い場合は控えるようにしてください。

補修することも大事ですが、二次被害が発生してしまう可能性があります。

台風で助かったのに、その後に命を落としてしまったら、後悔しかありません。

【暴風】広範囲での停電のおそれ

ここまで、どのタイミングで雨・風が強まるのか見てきましたが、ここからは、どのくらいの雨・風となるのか、量や強さを見ていきましょう。

まず、風の強さです。

台風が上陸するとみられる関東甲信や東海で特に強い予想で、瞬間的に60m/sの暴風が予想されています。

1か月ほど前の台風15号による千葉県での大規模停電や家屋への被害は皆さんよくわかると思いますが、あのときに千葉市で観測された風は57.5m/sでした。

今回も、あの危険な強さの暴風が吹き荒れるおそれがあります。

しかも、サイズが台風15号より2倍近く大きいため、かなり広範囲で皆さんが人生で経験したことのないような、歴史に記録が残るような暴風が吹き荒れるおそれがあります。

広範囲での大規模停電、断水、多くの倒木、車が横転、窓ガラスが割れるなどの被害が考えられます。

安全な屋内で、台風が過ぎるのを待っていただければと思います。

興味本位で、外に絶対に出ないでください。

【大雨】大規模水害もたらした狩野川台風に匹敵と気象庁

次に雨量です。

13日(日)朝までの24時間に予想される雨量ですが、とんでもない数字が並んでいます。

東海では800ミリ、関東甲信と北陸で500ミリ、大雨の頻度が少なく大雨に慣れていない東北でも400ミリの予想です。

これ、どのくらいの多さかというと、例えば、東京と名古屋の年間降水量は1500ミリくらいです。

必ずしも東京や名古屋で降るとは限りませんが、500~800ミリというのは、年間降水量の半分~3分の1程度を占めるということ。

1年かけて降るはずの雨が、およそ1日で、です。

山沿いの方が雨量が多くなると思いますが、台風というのは危険な雨雲の塊ですので、都市部でもかなりの雨量になってしまいます。

ですので、甚大な被害が広い範囲で出てしまうことも考えられます。

気象庁は、『関東と東海は狩野川台風に匹敵する記録的な大雨』と表現しています。

狩野川台風とは、1958年9月に神奈川県に上陸した台風22号。

伊豆半島の中央部を流れる狩野川で大規模な河川氾濫が発生、東京など関東南部でも大規模な浸水がお起こるなど、伊豆半島や関東南部で大きな水害が発生しました。

今回も浸水に河川氾濫、土砂災害、全てにおいて最大級の警戒が必要なレベル

ご自身の地域で起こり得る災害は、どんな災害でしょうか。

目を閉じて、想像力を働かせてみてください。

例えば、家の裏に崖がある方は、土砂災害のおそれがある。

川の近くにお住まいの方は、川が氾濫するおそれがある。

川や崖は近くにないけど、これだけの雨が降ったら、家が浸水してしまうおそれがある。

などなど。

早めに別な場所に避難するのが重要ですが、もうすでに外が危険で、外に避難するほうがかえって危ないという場合。

命を守るための最大限の行動を取ってください。

崖から遠い部屋に移動する。

二階などなるべく高い所に避難する。

間違っても、田んぼや川の様子を見に行くなどの行動はしないで。

ご本人がなんと言おうと、ご家族が絶対にとめて下さい。

【高波・高潮】合わせ技に警戒

次に、波と高潮、海関係ですね。

『関係ないや』と思われるかたが多いかもしれませんが、実は陸地にも関係してくるほどの、高波+高潮の合わせ技により、非常に危険な現象が起こりそうです。

13日(日)にかけて予想される波の高さは以下の通りです。

  • 東海、関東、伊豆諸島:13メートル
  • 東北:11メートル
  • 近畿、四国:10メートル
  • 北海道、北陸:7メートル
  • 小笠原諸島、中国、九州北部、沖縄:6メートル

なかなかどれほどの高さが想像するのが難しいかもしれませんが、13メートルというと、4階建ての建物くらいの高さです。

4階建くらいの高さの波がザッバーンとやってくるのかと想像すると、恐ろしすぎます。

さらに、高波に加えて厳重警戒しないといけないのが高潮です。

高潮とは、潮位が上昇すること(海面が上昇すること)で、海沿いの地域を中心に、浸水などの被害をもたらします。

発生の原理は違いますが、海面が持ち上がり陸地方向に海水が押し寄せられる点で津波に似ているので、『気象津波』といったりもします。

これまでは高潮というと、どんな現象なのかあまり想像できないかたが多かったと思いますが、昨年の台風21号で関西空港が高潮による大きな被害を受けたのは、記憶に新しいでしょう。

今回の台風19号でも、高潮による被害が発生してしまうことが考えられます。

原因としては、以下の通りです。

  1. 暴風が吹き荒れ湾に海水が吹き集められること(吹き寄せ効果)
  2. 台風が発達しているため気圧がかなり低く、海面が持ち上がってしまうこと(吸い上げ効果)
  3. 1年の中で最も潮位が高い時期
  4. 大潮の時期(14日(月)が満月で、満月の前後2日程度が大潮。大潮の時期は干満差が大きく、満潮時はいつもより潮位が高い)

これに、台風の中心に近い、暴風が吹き込む湾である、満潮時刻、などの条件が重なると、高潮による甚大な被害が出てしまうことも考えられます。

特に今回高潮の危険性が高いのが、静岡県の伊豆です。

伊豆では、過去に記録した最高潮位を50センチ上回るおそれがあります。

※50センチ=大人のつま先から膝上に達する。

※伊豆半島最南端の岬、石廊崎で観測された過去最高潮位は、2009年10月の台風18号のときで、標高183メートル。

海面自体が上昇する高潮と、高い波の合わせ技により、海沿いの地域では浸水するおそれがあります。また、大雨による浸水も重なると、大変恐ろしいです。

沿岸部に置いてある物が流出してしまうことも考えられます。

水の力はとても強いです。

流れるプールとか、流れの速い川、海に行ったことのあるかたはわかると思います。

海の近くには、絶対に近づかないで下さい。

命を守る最大限の行動をお願いします。
『自分だけは大丈夫』と思わないで。

■台風接近時の備えは記事後半に。

参考記事:台風への備え~接近前と接近時~

■土砂災害には前兆があることもあります。

参考記事:土砂災害の前兆をつかむには五感をフル活用せよ

■土砂災害には様々な特徴があります。

参考記事:3種類の土砂災害

■台風に伴い竜巻も発生します。

参考記事:竜巻から身を守る術5つ

以下、台風19号関連の過去記事です。これまでの流れがわかります。

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