雷雲が近づくときのサインは、先日ご紹介しました。
今回は、雷雲が近づいてきたときに、絶対にやめていただきたい危険な行動を、3つほど挙げてみます。
川で遊ぶ
暑い夏になると、川で泳いだり、親水公園で遊んだり、河川敷でバーベキューをしたり、、、と、楽しいことがたくさんありますよね。
ただ、雷雲が近づいてきているときに、川の近くにいるのはとっても危険です。
なぜなら、雷雨になると、急にザーザー降りの雨となり、川の水もあっという間に一気に増水します。
平成20年7月28日、神戸市を流れる都賀川で、痛ましい水難事故が起きました。この日はお昼頃までは晴れていました。夏ですので、川遊びや川の周囲を散歩する人たちもたくさん。
しかし、午後になって、天気が急変。あっというまに真っ黒い雲に覆われ、激しい雷雨となりました。
この激しい雨により、都賀川の水位は10分間に1.34mと急激に上昇。1.34mというと、小学生の身長くらい。
この結果、川原で遊んでいた小学生など16人が流され、このうち5人が亡くなるという事故が起きてしまいました。
神戸市ホームページよると、都賀川流域は、上流域の大部分が住宅地で道路舗装も進んでおり、さらに河道が急勾配であったため、流域に降った雨が一気に本川に流れ込んだ結果、自然河川では極めて珍しい段波状の流れが発生したものと推測されている、とのことです。
この事故を教訓として、兵庫県では大雨注意報等発表時に黄色の回転灯が点灯する増水警報システムや、それと連動した電光掲示板、また、注意喚起看板や横断幕の設置による危険性の周知等を図っています。
こちらで、当時、川の水位が急激に上昇していった様子を見ることができます。
地下にいる
雷雲が近づいてきたときに、地下にいるというのも、とっても危険です。
平成11年、7月21日夕方、東京都内では雷を伴う豪雨となりました。練馬では、2時間で121mmの雨を観測。新宿西落合では、地下室の浸水の様子を見に行った男性が亡くなりました。
豪雨時の地下室は、極めて危険な状態となります。
新宿区のホームページでは、浸水時の地下室が、いかに危険なのかについて、説明されています。
・外の様子がわからない。
・水圧でドアが開かない。
・電気が消えてしまう。
・地上が冠水すると、一気に水が流れ込んでくる。
木の下で雨宿り
雷雲が近づいてきたとき、木の下で雨宿りするのも、とっても危険です。木から人間に、雷が飛び移ってくるおそれがあります。過去に何度も、雷に撃たれて被害にあってしまったという例があります(最悪の場合、命を落としてしまいます)。
このお話を講演会やイベントなどですると、『知ってるよ~』と反応が来るのですが、頭では知っていても、意外と木の下で雨宿りしてしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
なぜなら、雷が鳴っているときは、ザーザー降りの雨となっていることが多く、周りに建物などがなければ、雨を防いでくれるのは大きな木だけ。こういう状況はよくあると思います。
まとめ
雷雲。それは、とても恐ろしいものであることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。
『自分だけは大丈夫』。
この考えは、絶対に捨ててください。
情報を簡単に入手できる今の時代。
ご自身で気象情報を入手していただき、自分の命、大切な人の命を守っていただきたいと思います。
楽しい思い出を、辛い思い出にしないためにも。