春雷が発生するメカニズム
立春(2月4日頃)を過ぎて鳴る雷のことを『春雷(しゅんらい)』と言います。
雷というと夏の夕立のときをイメージする方が多いと思います。
ただ、春も雷のなりやすい季節のひとつ。
その理由としては、主に以下の3つです。
- 低気圧が進んできやすい
- 日差しが強くなる(春の日差し)
- ときおり流れ込む上空の強い寒気(冬の空気)
冬は西高東低の冬型の気圧配置が長続きし、気圧配置に大きな変化がないことが特徴です。
ただ、春になると、晴れをもたらす高気圧と雨を降らせる低気圧が交互にやってくるようになります。
低気圧や低気圧からのびる寒冷前線が通過する際には、雷雲を伴っていることもあるので、雷が鳴ることがあります。
また、春は日差しが強くなってくる時期です。
紫外線対策もそろそろしっかりと初めた方がいい時期でもあります。
強い日差しが降り注げば我々が生活する地上付近の気温は上がり、コートがいらないポカポカ陽気となります。
その一方で、上空にはまだ冬の空気、強い寒気が流れ込むことがあります。
そうなると、地上と上空の気温差が大きくなります。
天気の世界では、この気温差、気温のアンバランスさが嫌われ、どうにかしてこの気温のアンバランスさを解消しようとします。
そのためにはどうするのか。
雨雲をつくります。
雨雲をつくり、雨を降らせて地上の気温を下げ、地上と上空の気温差を小さくします。
このとき、ハイスピードで気温差の解消するのが雷雲なのです。
雷雲はダラダラと雨を降らそうとはしません。
いっきにザーッと激しい雷雨をもたらします。
そうすることで、地上付近はいっきに冷えて、上空と地上の気温差がすぐに小さくなるのです。
春雷の特徴
春雷の中でも、初めて鳴る雷を『初雷』と言います。
この初雷のあと、春雷の機会が増えてきますが、特に啓蟄(3月5日頃)の頃から春雷が増えてきます。
啓蟄の頃に鳴る春雷は、虫たちを冬眠から覚ますとも言われ、『虫出し』と呼ばれることもあります。
春雷は、夏の雷のように長続きすることは少なく、比較的控えめで優しい響きです。
『春雷は不作』ということわざがありますが、これは『ひょう』が関係しています。
主に寒冷前線が通過するときの春雷のことだと思われますが、寒冷前線が通過するときは雷とともにひょうが降ることがあります。
ひょうは農作物を痛めてしまうなど、大きな被害を与えてしまうため、不作になるというものです。