こんにちは!
気象予報士・お天気キャスターの小林正寿です。
先ほど、6日(日)午前3時に、台風19号が発生しました。
この台風、私たちの命に危険を及ぼすような、大変危険な台風に発達する恐れがあります。
詳しく解説します。
最高ランク『猛烈』な勢力に
台風19号は、きょう6日(日)午前3時に南鳥島近海で発生しました。
午前3時現在、中心気圧は1000hPaですが、ここからどんどん発達しながら日本に近づいてきます。
8日(火)には『強い』勢力に、9日(水)には『非常に強い』勢力に、10日(木)には強さの最高ランク『猛烈』な勢力にまで発達し、沖縄方面に近づいてきます。
ちなみに、強さのランクは以下の通りです。
- 【猛烈】・・・最大風速54m/s以上
- 【非常に強い】・・・最大風速44m/s~54m/s未満
- 【強い】・・・最大風速33m/s~44m/s未満
『猛烈』な勢力になると最大風速54m/s以上の風が吹きますが、瞬間的には2倍程度の100m/s程度の突風が吹き荒れることも考えられます。
これは竜巻並みの風です。
たくさんの木々や電柱が倒れてしまうのはもちろん、木造家屋を中心に家が倒壊してしまう可能性もあります。
ちなみに、台風の中心気圧が910hPa以下、または、最大風速が60m/s以上の風が沖縄や奄美などで予想されるとき(予報円かかるとき)は、大雨や暴風、波浪、高潮などの特別警報が発表されます。
特別警報とは、数十年に一度レベルの現象が発生するときに発表されるもので、甚大な災害が起こるときに発表されるもの。
今回は、この基準に近い勢力で沖縄方面に近づくおそれがあるため、相当危険であることがわかります。
台風の通り道になりやすい沖縄でさえも、台風に慣れている沖縄のかたにとっても、大きな影響を受けるおそれがあり、大きな被害が出てしまうおそれがあります。
発達要因は平年より高い海面水温にあり
台風19号が、『猛烈』な勢力にまで発達する原因は何なのか。
それは、『暖かい海の上を、長距離・長時間進むこと』です。
台風は、暖かい海をエネルギー源とし、海面水温が27℃以上あると発達しやすいといわれています。
そこで、台風19号が進む見込みの海域の海面水温を見てみると、本州南岸まで27℃以上あり、日本の南に至っては29℃以上もあります。
つまり、台風19号が本州付近に来るまで、発達を続けるおそれがあるということです。
実はこの海面水温、この時期としてはかなり高くて、日本近海では平年より1~2℃程度高くなっています(下の画像で赤い所は平年より高い海域)。
たった、1、2℃と思われるかもしれませんが、熱容量のことを考えると、海の1℃は陸の5℃くらいに相当しますので、かなり高いことがわかりますよね。
台風19号が日本の近くまでがやって来ても、急速に衰える可能性は低く、むしろ発達を続けて近づいてきて、上陸ギリギリまで勢力をほぼ維持することが考えられます。
三連休は大荒れか
次の週末は体育の日があり三連休。
進路を見て感づいていらっしゃるかたも多いと思いますが、三連休は台風19号の影響で、大荒れとなるおそれがあります。
沖縄は、早ければ11日(金)には台風が近づくおそれがありますし、東京など本州も雨予報となっていますが、台風周辺の湿った空気や活動活発な前線の影響を受けて、台風接近前から大雨となるおそれがあります。
そして、三連休は全国的に雨予報となっており、全国的に台風の本格的な影響を受けるおそれがあります。
お出掛けを予定されていたり、体育の日があるということで運動会やスポーツ大会などに参加されるかたも多いと思います。
天気予報とにらめっこしつつ早めの予定変更を考えていただいたり、台風に対する早めの備えをお願いしたいです。
先に解説させていただいたように、台風がかなり発達した状態で本州付近まで近づくおそれがありますので。
台風への備えに関する記事を以前書きましたので、載せておきます。
参考になさってください。