こんにちは!
気象予報士・お天気キャスターの小林正寿です。
台風18号は、きょう3日(木)15時に、日本海で温帯低気圧に変わりました。
ただ、この温帯低気圧が、4日(金)には北陸や北日本を中心に荒天をもたらします。
詳しく解説します。
台風は『 発達した低気圧 』に変化
ニュースなどで、『台風は温帯低気圧に変わりました』と聞くと、もう大丈夫なんだ、と思ってしまうかたがけっこう多いのが現実です。
ただ、先日の記事でも書いたように、台風が温帯低気圧に変わるとは、『台風が発達した低気圧に変化』しただけであって、決して安心情報ではありません。
先日の記事:【台風18号】遠くても警戒 温帯低気圧になったあとに荒天おそれも
ただ形を変えただけで、似たり寄ったり。
うどんがそばに変わるみたいな?
激しい雨や強い風など、危険な現象を伴うことには変わりありません(相当弱まっている場合を除いて)。
下の天気図は、あす4日(金)午前9時の予想天気図ですが、台風から変わった温帯低気圧が能登半島沖の日本海に進む予想となっています。
ご覧のように、等圧線がグルグル巻きになっているということで、低気圧は発達している状況。中心気圧は988hPaの予想ですね。
きょう3日(木)15時時点で中心気圧は990hPaですから、温帯低気圧に変わってから再び発達する予想です。
台風が温帯低気圧に変わっても、油断できないことがよくわかりますよね。
あす4日(金)は、北陸や北日本を中心に荒天となる見込みです。
※関東への影響は以下にまとめました。千葉県も心配です。
記事:元台風影響~千葉県など関東で強風被害や熱中症のおそれ~
【強風】発達した低気圧は風を吸い込む力が強い
以下、3日(木)夜から4日(金)にかけての、雨と風の予想です。
日本海から東北に向かうグルグルと渦を巻いているのが、台風から変わった低気圧の中心です。
発達した低気圧というのは、風を吸い込む力が強いです。
なので、低気圧中心の近くはもちろん、中心から離れた所でも強風に注意が必要です。
3日(木)夜は、西日本の沿岸部を中心に風が強く吹きそうです。
4日(金)は、関東や東海、北陸、北日本で風が強まります。
雨も広い範囲で降りますが、海沿いの地域を中心に、傘が役に立たない所もありそうです。
最も風が強く吹くのは北陸と東北日本海側で、最大瞬間風速は35メートルの予想です。
看板が落下したり、風にあおられて転んでしまったり、車の運転は横風を受ける、そのような強い風です。
無理な外出は控えるようにしましょう。
思わぬケガをしてしまうおそれがありますので。
【大雨】南から暖湿気を運び続け大雨に
台風は熱帯由来の暖かく湿った空気の塊です。
これが大雨のもと。
低気圧に変わったところで、この暖かく湿った空気が急になくなることはありません。
低気圧の南側は南風が吹いていますので、大雨のもとになる暖かく湿った空気の流れ込みが続きます。
これに地形の効果なども加わり、山沿いの地域ではますます雨雲が発達し大雨となります。
下の画像は、3日(木)18時~5日(土)の間に、どこで雨量が多くなるかを示したものです。
黄色や赤色の所が、特に雨量が多くなると予想されている所です。
これを見ると、北陸や東北、北海道は各地でまとまった雨となりそうなのですが、特に大雨が予想されているのが、北陸や東北の山沿い、北海道太平洋側。
4日(金)朝~5日(土)朝にかけての予想雨量は、多い所で、北海道で100~200ミリ、東北と北陸で100~150ミリの見込みです。その後も雨量が増えるおそれがあります。
いずれも、西日本太平洋側のように大雨に慣れている地域ではありませんので、このくらいの雨量でも大きな災害につながるおそれがあります。
雨だけではなく先にお話ししたように風もありますので、予想外の被害が出てしまうおそれもあります。
早めの対策、避難をお願いしたいです。
台風と同じ備え方で大丈夫です。以前書いた記事を参考にしてください。
安全に過ごして
解説させていただいたように、台風が温帯低気圧に変わっても油断できません。報道の数は減ってしまうかもしれませんが、この記事をきっかけに、皆さんの周囲のかたにも注意喚起してくださると、大変助かります。
千葉県など、関東地方への影響については、以下の記事にまとめましたので、よろしければご覧ください。