こんにちは!
気象予報士・お天気キャスターの小林正寿です。
27日(金)のZIP!では、『29日(日)の関東の雪は、山沿いが中心で都市部では雨に雪が混じる程度、ただ、気温がちょっと下がれば都市部でも積もるようなこともあり得ます』、とお伝えしました。
最新の予報では、『気温がちょっと下がり、都市部でも雪が降り、場所によっては積もることも考えられる』予報になってきました。東京都心でも、大雪となる可能性が0ではありません。
地域ごとに詳しくお伝えします。
目次
南岸低気圧 平野部でも雪降る冷気流入
29日(日)午前9時の予想天気図を見ると、日本の南岸に低気圧が予想されています。
関東平野部に雪を降らせる、『南岸低気圧』と呼ばれる低気圧です。
低気圧は風を吸い込むものなので、低気圧の北側に位置する関東は北風が吹き、北から冷たい空気が流れ込みます。
どのくらい冷たい空気が流れ込むかというと、平野部でも雪が降ってもおかしくないくらいの冷たい空気です。
下の画像は、29日(日)午前9時の975hPaの気温の予想です。
975hPaというのは、だいたい東京タワーのてっぺんくらいの高さです。
これを見ると、平野部でも0℃以下が予想されています。
つまり、東京タワーのてっぺんでは確実に雪。
問題は我々が住んでいる地上では雪として降ってくるかということですが、だいたい東京タワーのてっぺんの高さで0℃以下のときは、地上でも雪が降ることが多いです。
それ故、29日(日)は、平野部でも雪が降って、最悪の場合、都市部でも積もったり交通機関が乱れるような大雪になるような心配が出てきました。
雪が降るのは29日(日)未明〜昼頃
29日(日)に日付が変わる頃にはすでに降り出していますが、栃木県と群馬県の山沿いを除けばまだ雨の所が多いです。
この雨の降り方は強く、ザーザー降りです。
ザーザーと強く降ることにより、上空の冷たい空気も一緒になって降りてきます。
これに加え、北風も強く吹きます。
この上空からの冷気と、北風が運んでくる冷気により、どんどん気温が下がっていきます。
朝6時までには、宇都宮や前橋など、関東北部の都市部でも雨に雪が混じってきます。
午前9時には、東京やさいたまなど、関東南部の都市部でも雪が降る予想です。
平野部での雪の範囲の広がりのピークはこの頃です。
降り方はチラチラと舞う感じではなく、本降りです。
平野部でも雪が積もるような降り方となるおそれがあります。
※気温が下がらなければ、ザーザー降りの雨です。
正午にはやや気温が上がってくるため、雪から雨に変わる所が多くなる予想です。
ただ、気温が下がり続けてしまうと、雪が降り続くことになり、平野部でも5センチ以上の雪が積もり、交通機関が大混乱するような事態も考えられます。
午後には、降水域が東に抜けていくので、降るものがなくなります。
【関東北部の山沿い】20〜40センチの大雪
ここからは、地域ごとに見ていきます。
まずは、関東北部の山沿いです。
29日(日)に日付が変わる前から雪の所もあり、降り出しから降り終わりの29日(日)頃まで雪のまま経過する見込みです。
このため、各地とも大雪が予想されます。
多い所では、20〜40センチほどの雪が降り積もることが考えられます。
【関東北部の平野部】数センチの積雪の可能性
関東北部の平野部です。
朝には雨から雪に変わる所が多い見込みで、午前中は雪か、雨に雪が混じるみぞれが降る所が多いでしょう。
上に挙げた予想では、各地とも1℃台までは下がりそうなので、目で見て雪と判断できる降り方にはなりますが、積もる可能性は低めです。
ただ、積もる可能性も0ではありません。
個人的には50%程度は、積もる可能性があると思っています。
というのも、現時点の予想よりも0.5℃程度低くなると、雪が積もる可能性が出てくるからです。
0.5℃は誤差の範囲ですので、積もるかもという心構えでいたほうが安心ですよね。
積もるとしたら、多い所で1〜5センチ程度の予想です。
これくらい積もってしまうと、関東平野部では大きな影響が出てしまう積雪です。
【関東南部の山沿い】大雨のち大雪に
関東南部の山沿い(秩父〜多摩〜箱根)です。
埼玉県の秩父地域の三峰は、冷気の到達が早いため、30日(日)に日付が変わる頃には雪になります。
多摩や箱根も、大雨のち朝までには雪に変わってくる予想です。
いずれの地域も大雪となる可能性が高めで、多い所では10〜20センチ程度の雪が積もることが考えられます。
【関東南部の平野部】都心で大雪の可能性も0ではない
東京都心など、関東南部の平野部です。
朝まではザーザー降りの雨で、その後午前中は、東京都心でも雨に雪が混じる時間がある見込みです。
千葉や横浜も雨のマークになっていますが、雪っぽい?と思う降り方になる瞬間があるでしょう。
上記地域では現時点では積もる可能性は低めですが、今回こわいのは降水量が多いため、ちょっと気温が下がっただけで、あっという間に道路を数センチ覆うような雪の降り方になってしまうということです。
東京都心を例にとると、30日(日)午前8時〜正午頃は1℃台で経過する可能性があります。
1℃台ですと、目で見て誰もが雪と判断できるような降り方です。
さらに、午前8時〜正午の降水量は約15ミリ。
1℃以上あればほぼ積もりませんが、予想より0.5℃程度下がり0℃台になってしまうと、降るものが全て積もってしまうことも考えられ、そうなると、東京都心でも10センチ以上の雪が降り積もり大雪、という事態も考えられます。
これは最悪の事態ですが、気象庁も1〜5センチ程度の雪が降る可能性があると、注意を呼びかけています。
万が一に備えて
コロナウイルスにより外出自粛モードのため、家で過ごす方が多いと思いますが、急を要する用事などがある方は、早く起きて気象情報や交通情報などを確認するようにしてください。
路面が凍結していたり、交通機関が乱れている可能性があります。
雪道の歩き方は、以下の記事を参考になさってください。