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関東で雪って本当?~いつどこで降るか解説~

こんにちは!
気象予報士・お天気キャスターの小林正寿です。

「天気予報で日曜~月曜、雪降るって言ってた」。
そんな会話が街で聞こえてきました。
う~む、たしかにそうなんだけど、「雪が降る」だけ一人歩きして、関東のどの地域でも降ることになっていたりするからちょっと恐い(^_^;)

この記事では、いつどこで雪が降りそうなのか、解説します。

天気崩す原因は『南岸低気圧』~ポイントは寒気の強弱~

22日(日)日中~23日(月)早朝は、関東で天気が崩れます。

その原因は、本州のすぐ南を進んでくる低気圧です。

いわゆる『南岸低気圧』と言われるもので、冬になると天気予報でよく聞くことのある低気圧です。

なぜなら、南岸低気圧は関東平野部に大雪を降らせることがあるから。

今回も、この南岸低気圧が、寒気が流れ込んでいる状況で関東に近づいてくるので、「関東で雪が降る?」と言われています。

ただ、今回は、寒気が弱いです。

関東の平野部で雪が降って積もるときは、上空1500付近で-3℃(程度)以下の寒気に覆われることが多いです。

しかし、今回はご覧のように-3℃以下の寒気は東北以北にあり、関東には0℃前後の寒気が流れ込んでいる程度。

ですので、まず平野部で大雪になることはないでしょう。

22日(日)午後から降水域が広がる

では、いつどこで雪が降るのか見ていきます。

以下、天気の予想で、青い所が雨、白い所が雪、水色の所が雨と雪が混じったみぞれです。

22日(日)午後から関東南部から天気が崩れてきて、夜までには降水域が関東ほぼ全域に広がります。

その後、23日(月)早朝にかけて雨や雪となりますが、白い表示、雪が予想されているのは、ほぼ関東の山や山沿いの地域です。

関東北部に加え、埼玉県や東京都、神奈川県の山沿いでも雪が予想されています。

平野部は雪は降らず、雨で経過する可能性が極めて高いです。

 

本格的な積雪は山のみ

山沿いの地域とはいえ、どこでどのくらい積もるのか、気になると思います。

下の図は、どこでどのくらい雪が降るのか、コンピューターが計算した結果です。

これを見ると、黄色やオレンジの10~20センチの雪が降ると予想されている地域は、標高の高い山だけです。

山梨県に接する埼玉県西部や群馬県南部にも黄色い表示10~15センチの降雪が予想されている所がありますが、いずれも標高の高い山ですので、生活に影響の出る人はほとんどいない場所だと思います。

では、生活圏はどうか。

栃木県北部や群馬県の山沿いの地域では、生活圏でも水色~濃い青の所があり、ここは5~10センチの降雪が予想されているところ。

日光など雪に慣れている方が多い地域ではありますが、奥日光など数センチ積もる所がありそうですので、路面の凍結による転倒事故やスリップ事故にお気を付け下さい。

東京都心は雨~でも雪の可能性はゼロではない?~

先に解説させていただいたように、本格的に雪が積もるのは山、数センチ程度の雪が積もる可能性があるのは群馬県や栃木県の山沿いの地域くらいです。

 

東京都心も含め、平野部では雨となりそうです。

 

では、雪の可能性が全くないかと言われると、全くないわけではありません。

 

もう一度、念押しで言いますが、東京都心含め平野部は雨です。

 

でも、なぜゼロではないのか。

 

我々気象予報士は、天気図を見て、予想される天気を考えます。

 

そのあとに、天気を『幅』を持って考えます。

 

『幅』とは、簡単な例を出してお話しすると、「基本的には雨。でも、気温が予想以上に下がってしまったら雪の可能性も。じゃあ、気温が下がる可能性ってどのくらいあるかな?」

 

「基本的には晴れ。でも低気圧が予想以上に近づいてきたら雨の可能性も。じゃあ、低気圧が近づく可能性はどのくらいあるかな?」

 

など。

 

テレビの天気予報でも、もちろん幅を持って考えてその結果をお伝えしているのですが、短い時間でわかりやすくお伝えするには、どうしても『一番可能性の高いこと』のみをお伝えすることが多いです。

 

でも、実はその言葉の裏に、テレビでは話さなかった『ほかの天気の可能性』があったり。

 

※もちろん、幅が大事な場合はお伝えしています。

 

今回ですと、東京都心は雨だとお伝えしていますよね。

でも、雪の可能性はゼロではない。

 

下の図は、東京の天気の予想の割合を表しています。

あす22日(日)を見ると、青い表示の雨がほとんどの割合を占めていて、雪の可能性は10%未満です。

雪の可能性が極めて低いことがわかりますよね。

 

 

10%未満とはいえ、なぜ東京都心でも雪の可能性が予想されているのか。

それは、予想以上に気温が下がることを想定してのこと。

 

下の図は、気温の予想なのですが、気温の予想も実は幅を持って計算されています。

最低気温に注目すると、現時点では22日(日)~23日(月)にかけて5~6℃の予想ですが、実は、2~3℃程度まで下がると予想されている計算結果もあるのです。

そこまで下がってしまうと、雨に雪が混じることも考えられます。

 

ただ、雪が積もるときというのは、僕の経験的に気温が0.5℃以下になることが多いので、いずれにしても、東京都心で雪が積もるということはないと断言できます。

 

 

ちなみに、予想以上に気温が下がるパターンとして考えられるのは、低気圧の発達により、群馬県や栃木県にある冷気を強い北風により引き寄せることや、雨が強まって上空の冷気が一気に下りてくることなどですね。

 

ここまで東京都心の雪の可能性を解説してきたので、「可能性は低いけど平野部でも雪降るかも?」と思ってしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。平野部は雨です。

 

もう一度、念押しで言いますが、東京都心含め平野部は基本的に雨です。

 

雪は降らなくても、真冬に着るコート必須の寒さです。
体調管理にはご注意下さいね!

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