こんにちは!
気象予報士・お天気キャスターの小林正寿です。
大晦日は、最低気温と最高気温の数字だけをチェックして出かけてしまうと、かなり危険です。服装選びに大失敗してしまいます。。
この記事を読んでいただければ、大晦日、後悔しないと思います。
詳しく解説します。
強い冬型でドドッと寒気流入
先に更新した、『年越しは大荒れに~交通機関の乱れも~』に書いたように、大晦日から元日は全国的に強い北風が吹き荒れ、日本海側や北日本では、猛ふぶきや大雪に警戒が必要です。
その原因は、強い冬型の気圧配置になること。
強い冬型になり、北風が吹き荒れることにより、ロシア方面から寒気を引っ張りこむことになります。
以下、上空1500メートル付近の寒気ですが、時間とともに、寒気が日本をすっぽりと覆ってくる様子がわかります。
時間とともに寒気が流れ込んでくるということは、朝よりも昼、昼よりも夜の方が寒くなるという所があるなど、『ふつうの一日の気温変化』ではなくなりますので、注意が必要です。
これが、最初にお話しした、『最低気温と最高気温の数字だけをチェックして出かけてしまうと、かなり危険』と言った理由です。
気温急降下~数字にだまされないで!~
大晦日の予想最低気温と最高気温はこんな感じ。
大まかに分けて、最高気温と最低気温の数字が同じくらいの所と、最高気温と最低気温の差が大きい所があります。
これだけを見ると、一日中同じくらいの気温なんだ~とか、一日の気温差が大きいんだ~、などとお感じの方が多いと思います。
ただ、ここで要注意なのが、これだけでは『夜の気温』がわからないということです。
最低気温は朝までの最低気温、最高気温は日中までの最高気温であるためです。
先にお話ししたように、大晦日は寒気が時間とともにドドッと流れ込んでくるため、時間とともに寒くなる所が多くなります。
以下、グラフの線は、気温の変化です。
大晦日の未明~朝が一番気温が高くて、その後は、まるでジェットコースターのように気温が急降下することがわかります。
例えば、札幌は最低気温2℃の予想ですが、これは朝までの最低気温。
夜になるとあっという間に-7℃以下まで下がってしまいます。
最低気温・最高気温の数字を見ただけでは、服装選びなど大失敗してしまいますよね。
次に、一見暖かくなりそうな地域に注目してみましょう。
東京の最高気温は18℃、仙台の最高気温は14℃の予想です。
これは、寒気が西から流れ込むことにより、太平洋側の仙台や東京など東日本・北日本の太平洋側は寒気の流れ込むタイミングが遅いためです。
なので、日中は、日差しの力で気温がグッと上がります。
しかし、下のグラフを見てください。
気温が上がるのはほんの一瞬。
その後は、やはり、ジェットコースターのようにあっという間に気温が下がってしまいます。
暖かそうな最高気温の数字にだまされてはいけません。
31日(火)の大晦日はネットでマークや気温の数字だけを確認しただけでは、服装選びに失敗してしまうパターンの日です。
テレビで気象予報士が解説する天気予報を見る意味とは、まさにこういう日の解説を聞けるからだと思っています。
マークや数字ではわからない部分を解説するのが、気象予報士の役目です。
それを短時間で端的に解説する。
いつも心がけていることです。
少しでも多くの方に情報が伝われば幸いです。
そして、来年も僕の解説が少しでも多くの方に届けば嬉しいです。
それではよいお年を!
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