こんにちは!
気象予報士・お天気キャスターの小林正寿です。
きょう8日(日)夜からあす9日(月)にかけては、台風15号の影響で、関東を中心に大荒れとなる見込みです。
今回の台風15号の特徴は、急激に荒れてくるということ。
日中なんでもなくても、油断禁物です。
いつ、どこで影響があるのか、詳しく解説します。
目次
台風15号 当初予想より発達
当初の予想より、発達して本州に近づく予想となりました。
きょう8日(日)夜から9日(月)にかけて関東にかなり接近し、上陸する見込みです。
上陸時の中心気圧は、おそらく960~970hPa前後。
これは、関東に上陸する台風としては、記録的な中心気圧の低さ(発達しているということ)です。
僕の大先輩、杉江勇次気象予報士がブログで書いていますが、関東に上陸した中心気圧の低い台風は、以下の通りです。
- 1958年台風21号960hPa(神奈川県三浦半島)
- 2002年台風21号960hPa(神奈川県川崎市付近)
- 1958年台風22号965hPa(神奈川県三浦半島)
- 1981年台風15号965hPa(千葉県館山市付近)
関東・東海 暗い時間から急に大荒れに
台風15号の特徴は、サイズが小さくコンパクトであることと、台風中心付近の外側に雨雲がほとんどないこと。
なので、台風が近づく直前までは穏やかなのですが、近づいたとたんに大荒れになります。
8日(日)日中は穏やかだと思いますが、油断しないでください。
きょう8日(日)夜には関東南部や静岡県で雨や風が強まり出します。
終電近い電車や新幹線、飛行機で関東に帰ってくる予定がある方は、早めに帰ってきた方がよさそうです。
交通機関が乱れている可能性、場合によっては、運行(運航)見合わせの可能性もあります。
9日(月)に日付が変わる頃には、本格的に大荒れの天気になってきます。
夜中の暗い時間帯に大雨や暴風が吹き荒れるということで、大変危険な状況です。
朝の通勤・通学の時間帯も、まだ大荒れの状況が続いていそうです。
ZIP!の放送でも、詳しく解説します。
日中になると、関東は大荒れの天気は収まりますが、まだ南風が強いです。
日中は、福島県や宮城県で荒れた天気となります。
あす9日にかけて特に暴風が予想されるのは、関東の海沿いの地域と福島県の浜通りです。
神奈川県、千葉県、伊豆諸島では瞬間的に60メートル、東京都や茨城県では50メートルの暴風が予想されていますが、これは、多くの木々や電柱が倒れるおそれがあるような大変危険な風です。
また関東甲信や伊豆諸島、東海では、1時間に80ミリ以上の猛烈な雨が予想されていて、あっという間に道路が冠水するようなおそれがあります。
総雨量は、関東甲信と東海では300ミリ以上の大雨が予想されていますが、6~9時間程度と比較的短い時間で降ってしまうと思われますので、浸水被害や河川の氾濫、土砂災害にも警戒が必要です。
台風接近前の備え
なので、8日(日)日中にかけては、台風対策をする時間があります。
【 避難場所・経路の確認 】
自治体のホームページや冊子などで、避難場所を確認しましょう。
その際に、どのような道を通って避難場所に行くのか、考えておくことも大事です。
ハザードマップで、どの場所が浸水しやすいか、土砂災害の危険性があるのかなど、危険箇所を確認しておくことも、安全な避難に繋がります。
常日頃から、ご家族や友達と、避難について話しておくことで、いざというときに慌てずに済みます。
【 避難グッズの確認 】
- リュックサック
- 飲料水
- 乾パンなどの食料
- 医薬品
- 紙おむつ
- 生理用品
- 現金や預金通帳
- 衣服
- 懐中電灯
- 使い捨てカイロ
- ごみ袋
- ヘルメット
【 家の外の備え 】
- 側溝や排水溝の掃除をして、水はけをよくしておく
- 風で飛ばされそうな物を固定する、または、家の中にしまう
自分のためだけでなく、他人を傷つけないことにもつながります。
【 家の中の備え 】
- 窓や雨戸の補強(飛散防止フィルムを窓ガラスに貼るなど)
- カーテンやブラインドを下ろしておく(万が一、ガラスが割れた場合に備え)
- 断水に備え、浴槽に水を張る
台風接近時の行動と対策
台風がいよいよ近づいてきたら、以下のことを心がけてください。
【不要な外出は避けて】
■田んぼや畑、川の見回りは避けましょう。
慣れている道でも、大雨や暴風により、道の状態、見通しなど、ふだんとは違います。
もしご家族が外出しそうになっていたら、声をかけて止めてください。
お互い後悔しないように。
■思わぬ事故
暴風により、看板が落下したり、物が飛んで来たりして、思わぬケガをする可能性があります。
また、道路のアンダーパスなどが冠水している可能性があり、ここを通ってしまうと車が水没して、脱出できなくなる可能性があります。
【 早めの避難を 】
僕たちがテレビで解説する天気予報や、気象庁が発表する警報・注意報、自治体が発表する避難情報などを、こまめに確認するようにしてください。
注意報が発表されたら、ハザードマップなどを使い、避難場所や避難経路を確認しましょう。
警報が発表されたら、いよいよ避難する段階です。
特に、ご高齢のかたや、崖や川の近くにお住まいのかたは、自治体の指示を待たずに、自主的に早めに避難することをオススメします。
ちなみに、特別警報もありますが、特別警報は別物とお考えください。
特別警報は、発表を待つものではありません。
なぜなら、特別警報=すでに甚大な災害が起こっている可能性があることを意味するからです。
すでに手遅れのことが多いのです。
【家の中でも安全な場所へ】
早めに避難所に避難しておくことが大事ですが、夜中に大雨になったりして、すでに外に出るのが危険なくらい浸水・冠水している、暗くて道が見えないようなとき、外に出る方がかえって危険です。
このような場合は、家の中で安全な場所に避難しましょう。
例えば、崖の近くにお住まいの場合は、崖から離れた部屋に移動する。
川の近くにお住まいだったり、すでに浸水している場合は、2階など高い部屋に移動する。
命を守るために、最善の行動をとりましょう。
早めの対策・避難を
夜になると急激に荒れてきます。
暗い時間なので、避難も困難になります。
明るいうちに台風対策や避難をお願いいたします。