こんにちは!
お天気キャスター・気象予報士の小林正寿です。
きょう6日(火)は、台風8号が九州を横断し、九州を中心に大荒れの天気となりましたが、実はいま日本の近くには3つの台風があるんです。
土曜日からは3連休ですし、そのあと、来週はお盆休みの方も多いと思います。
トリプル台風の影響はどうなるのか、解説します。
トリプル台風はどこに?
まずは、トリプル台風がどこにあるのか、雲のようすを見てみましょう。6日(火)18時40分現在の位置です。
【台風8号】
・長崎県対馬市付近を北上中。
・九州に上陸し、陸地の摩擦や水蒸気補給が少なくなった影響で、急速に衰え、最盛期は過ぎている。
【台風9号】
・フィリピンの東海上にあり、『大型』の台風となっている。
・暖かい海上をゆっくりと北上するため、まだまだ発達する。
【台風10号】
・6日(火)15時にマリアナ諸島付近で発生。
・こちらも『大型』で、暖かい海上をゆっくりと北上するため、まだまだ発達する。
台風8号は北海道に影響か
台風8号は、7日(水)には朝鮮半島に上陸する見込みで、その後、8日(木)には、日本海で温帯低気圧に変わる見込みです。
上記の通り、台風ではなくなるわけですが、8日(木)~10日(土)頃にかけては、この温帯低気圧の雨雲が北海道にやってくる見込みです。
元台風の雨雲なので、活発な雨雲を含んでいると思われます。
ザーザー降りの雨となることも考えられますので、注意が必要です。
台風9号は沖縄直撃 大荒れに
台風9号は、発達を続けながら北上し、8日(木)~9日(金)をピークに、沖縄県の石垣島・宮古島など先島諸島を直撃するおそれがあります。
赤い円、暴風警戒域も予想されているため、暴風域を伴ったまま直撃する見通しです。
この台風9号の特徴は、『強い』、『大きい』、『遅い』。
そのため、強いのでかなり大荒れになること、大きいので先島諸島だけでなく沖縄本島なども大荒れになること、遅いので、10日(土)からの3連休まで影響が長引くことが考えられます。
沖縄方面に旅行などを考えている方は、天気予報をこまめに確認いただき、予定の変更なども視野に入れておいていただきたいです。
台風10号 お盆直撃のおそれも
台風10号はの進路図、文字がごちゃごちゃしていて、見にくくてすみません。。
ただ、これこそが台風10号の特徴。
どういうことかというと、予報円が重なりあっていますよね?
これは、動きがかなり遅いということを意味しています。
なので、9日(金)頃から近づくおそれのある小笠原諸島では、台風の影響が長引くことが考えられます。
そして、12日(月)以降の予想はまだ出ていませんが、週間予報を見ると、東京や仙台など、3連休から来週のお盆にかけて、雨の予報が続いてます。
もしかすると、台風10号や、台風の北側にできるとみられる前線の影響を示唆しているのかもしれません。
最悪、お盆に直撃のおそれも。
晴れ予報のところも、台風の進路によっては、お盆の頃の予報が大きく変わるかもしれません。
最新の情報を、こまめにチェックするようになさってください。
そして、この台風10号も9号と同じく、『強い』、『大きい』、『遅い』のが特徴です。
台風発達の要因は暖かな海にあり
台風9号と台風10号の特徴として、『強い』、『大きい』、『遅い』を挙げました。
『強い』、『大きい』のは、発達するからですが、発達するのは、『暖かい海』を『遅い』速度で進むからです。
夏に海水浴に行くと、私たち人間は、海の水が冷たくて気持ちよく感じ、暑さで疲れた身体がなんだか元気になります。
ただ、台風にとってはこの時期の海は暖かく感じまして、この暖かい海こそが、台風の元気の源になるんですね(元気になる点では、人間と同じ)。
台風は、大体、海面水温(海の表面の温度)が27℃以上だと発達する傾向にあります。
さらに、水深50~100メートルなど、もうちょっと奥深いところまで水温が高いと、発達しやすいです。
実際に海面水温を見てみると、日本の南では29℃前後ありますし、27℃以上の範囲を見ると、日本海まで広がっているんですよね。
なので、台風9号と台風10号は、発達を続けて、大きく、そして、強くなりながら北上するというわけなのです。
この時期の海は、人間だけじゃなくて、台風にも好まれてしまうのです。
お盆の予定は柔軟に
3連休からお盆にかけては、ここまで解説してきました通り、トリプル台風の何かしらの影響を受けてしまう方が多いかもしれません。
お盆の予定などは、柔軟に対応できるようにしておいたほうが、よさそうですね。