こんにちは!
気象予報士・お天気キャスターの小林正寿です。
4月9日(木)は、北海道の広い範囲で雪が降り、市街地でも雪が積もる可能性があります。
詳しく解説します。
雪を降らせる渦巻き その名も『寒冷渦』
北海道に雪を降らせる原因は、『寒冷渦』と呼ばれるものです。
聞いたことありますでしょうか?
気象衛星・ひまわりでご覧頂きますと、日本海のあたりに渦巻きがあるのがわかると思います。
これが寒冷渦です。
寒冷渦はその名の通り、上空に寒気を持つ渦巻き(低気圧)です。
上空に寒気を持つということは、雪を降らせますし、雷雲を発達させるパワーも持っていますので、落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうにも注意が必要です。
上空に雪目安の寒気 雪のまま降ってくる所多い
寒気は、色々な高さで見ることがあるのですが、今回は私たちが生活する地上に比較的近い、上空500メートル付近で見ていきたいと思います。
東京スカイツリーのてっぺんが634メートル(『むさし』と覚える)ですので、それよりも低い高さです。
経験的に、上空500メートル付近で0℃以下だと地上でも雪のまま降ってくることが多いです。
※空から降ってくる途中に、上空の気温が高ければ雪から雨に変わります。雪と雨の違いはそれだけです。
それを踏まえたうえで下の画像(9日(木)正午の予想)を見ると、函館などがある道南を除いて広い範囲で0℃以下です。
つまり、北海道のほとんどの地域で、雪の降る時間がある可能性が高いことがわかります。
山地は本格的な雪 市街地も積もる可能性あり
9日(木)18時までに予想される降雪量を見ると、北見山地や日高山脈付近で特に多く予想されており、濃い青い表示や黄色の所が見られるため、15〜25センチ程度と本格的な雪が予想されていることがわかります。
道東では市街地でも10センチ近く積もることも考えられます。
そのほかの地域の市街地でも、数センチの積雪を観測するという所は多く見られると思います。
北海道で4月に雪が降るのは珍しいことではないですが、今年はすでに雪がなくなっている所がほとんどで、雪が残っているのは下の画像の通り、上川地域や宗谷地域の山沿いくらいです。
今年は雪のシーズンが短いように感じましたが、4月になって再び雪が積もるとい所もあちこちで出てきそうです。
路面凍結・電線着雪に注意
【札幌】
早朝までは雨に雪の混じる降り方です。
気温は下がっても3℃くらいなので、積もることはなさそうです。
日中は7℃くいらいまで上がってくるので、雪は上空でとけて、地上に降ってくるものは雨の見込みです。
【旭川】
札幌と同じ日本海側の地域ですが、札幌より標高が高く(標高120メートルくらい)、冷たい空気が溜まりやすい上川盆地に位置することから、札幌より雪の時間が長引きます。
お昼頃までは雪が降り、朝までは雪が数センチ積もる降り方をする可能性があります。
【釧路】
太平洋側頭部に位置する釧路は、気温が0〜2℃程度で経過するため、降るものは雪です。
積もっても数センチ程度の見込みですが、気温がこの予想よりも1〜2℃程度低くなると、10センチくらい積もることも考えられます。
【網走】
網走は氷点下の時間が長く、雪が積もる可能性は高めです。
ただ、降水量はあまり多くないので、積もっても5〜8センチ程度だと思います。
真冬のような大雪にはなりませんが、お仕事などで外出の予定がある方は、路面の凍結に注意が必要ですし、湿った重い雪になるので、電線着雪による停電に注意が必要です。