こんにちは!
気象予報士・お天気キャスターの小林正寿です。
さて、きょうは10月に入り5日が経ち、10月5日(土)なわけですが、関東地方を中心に10月とは思えないような厳しい暑さになりました。
この季節外れの暑さ、いつまで続いてしまうのしょうか。
詳しく解説します。
関東 真夏日続出
きょう5日(土)の最高気温を見てみると、赤い表示の30℃以上が目立つのは関東地方。
全国の926地点の観測点のうち74地点で30℃以上の真夏日となったのですが、そのうちの36地点(島しょ部を除く)が関東地方だったんです。
僕も東京に住んでいますが、冷房フル稼働でした。
全国で一番気温が上がったのは、群馬県の桐生市で31.5℃。
東京都心は30.3℃。
暑すぎた!!
きょうの暑さは『 残暑 』?
ここでちょっと疑問に思ったこと。
きょう5日(土)の暑さは、『残暑』なのかということ。
個人的に、『残暑』とい言葉を使うのに違和感がありまして。
残暑・・・立秋のあとまで残る暑さ
立秋とは、8月7日頃で、つまり8月7日以降の暑さのことを『残暑』と呼ぶわけですね。
じゃあ、まだ残暑といえるか。
でも、なんでこの時期に残暑という言葉を使うのに違和感があるのか。
わかった!『残暑見舞い』だ!!
『残暑見舞い』は、立秋(8月7日頃)~白露(9月8日)頃に送るものと習いました。
この意識があるから、僕の固定観念なのかもしれませんが、10月に残暑を使うのに違和感があるのかもしれません。
しかし、『暑さ寒さも彼岸まで』という言葉があります。
この言葉は、彼岸、つまり9月20日~26日(2019年)までは暑いけど、そのあとは暑さが収まりますよ、ということですよね。
そうすると、彼岸のあと、収まるはずの暑さが収まっていない場合、『残暑』と呼ぶこともできそうですね。辞書などには絶対に載っていない解釈だと思いますが。
僕の結論・・・10月でも残暑と呼ぶ。立秋のあとまで残る暑さであることには違いないし、彼岸が過ぎてもまだ暑い。そして、なんといっても、その文字通り、『暑さが残っている』から!だから残暑、使う!
※皆さんのご意見もお待ちしております。
季節外れの暑さは台風の置き土産にあり
さてさて、話がちょっと脇道にそれましたが、きょう5日(土)の残暑(あえて使う)をもたらした原因を考えてみましょう。
それは、台風の置き土産です。
先日日本に近づいた台風18号が、熱帯から夏の空気を引き連れてきてしまいまして、その置き土産として暖かい空気が残ってしまったのです。
それに加え、晴れたことにより、日差しの力でグングン気温が上昇したというわけです。
この暖気、あす6日(日)には、北風により南へと次第に退散する見込みです。
このため、あす6日(日)は、きょう5日(土)より暑さが和らぐ所が多くなります。
特に、東京の最高気温はきょう5日(土)より6℃低い24℃と、かなり涼しくなります。
熱中症の心配はなくなりますが、今度は気温差で体調を崩さないように要注意ですね。
残暑傾向な10月
上の画像は、この先1か月の気温の傾向を予想したものです。
全国的に、平年に比べて気温が高くなる傾向で、特に東日本、西日本、奄美、沖縄は、残暑が長引く可能性が高い予想です。
しかし、この予想は、あくまで『平年に比べてどうか』というものですので、この先も30℃以上の真夏日が頻発するというわけではありません。
東京のこの先の予報を見てみましょう。
四角で囲った数字が、現時点で予想される最高気温で、その上と下に書いてある数字は最高気温の予想の幅です。
例えば、13日(日)ならば、現時点で最高気温24℃になる可能性が高いけれど、場合によっては30℃になる可能性もあれば、20℃になる可能性もありますよ、ということです。
この時期の東京の最高気温の平年の値は、21℃~22℃程度ですので、平年よりは高くなりそうだということがわかります。
30℃以上の真夏日が頻発する可能性は低そうですが、最高気温の予想の幅を見ると、13日(日)など、この先も30℃に達する日が出てくる可能性もあります。
それは、きょう5日(土)のように台風の置き土産による影響なのか、夏の暑さをもたらす太平洋高気圧の勢力が盛り返してくる影響なのか、原因はわかりません。
しかし、現時点で言えることは、
①この先1か月は、平均的に見て平年より気温が高い日が多そうだということ、
②30℃近くまで上がる日がどこかで出てくる可能性があり、そうすると日ごとの気温のアップダウンが大きくなるため、体調や服装に注意が必要になってくるということ、
などですかね。
秋はそもそも季節が前進したり後退したりしながら、深まっていくものですが、今年の秋はどうやら前進スピードが遅そうです。
個人的には、紅葉がどうなるのか、心配してます。