天気予報でよく聞くフレーズ。
「 土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫に警戒して下さい。 」
この中の『 土砂災害 』。
放送時、注意を呼びかけるときに、時間の都合上、『 土砂災害 』と一言にまとめてお話ししてしまうことが多いのですが、実はいくつか種類があります。
今回は、3種類にわけて、ご紹介します。
■がけ崩れ
まず一つ目は、がけ崩れ。
その名前から、どんな現象か、皆さんが最も想像がつきやすい土砂災害だと思います。
がけ崩れとは、『 地面にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め、雨や地震の影響により、急激に斜面が崩れ落ちる 』現象です。
一般的に、崩れたがけの到達範囲は、崩れる前のがけの高さと同じくらいの距離にまで到達するといわれています。
例えば、10メートルのがけだったら、10メートル先まで崩れてしまうわけですね。
粒子の細かい土で、十分水分を含んでいる場合は、がけの高さの5倍以上の距離にまで到達することもある。
がけの裏に家があったり、すぐ横に道路がある場合は、とても危険なことがお分かりかと思います。
規模は比較的に小さいですが、突然起きるのと、崩れる速度が速いことから、逃げ遅れる人も多く、人的被害に結びつきやすい。
大雨の時には、早めに避難すること、がけには近づかないことが鉄則です。
■土石流
土石流は、山腹、川底の石や土砂が、長雨や集中豪雨などによって、一気に下流へと押し流される現象です。
時速20~40km程度と早い速度、且つ、流れてくる土砂などの量が多いため、一瞬にして、人家や畑などを壊滅させてしまいます。
なお、土石流は、砂礫型土石流と泥流型土石流の2つに分類されることがあります。
砂礫型土石流は、先端部に巨礫が集中している生コンクリートのような流れ、泥流型土石流は、先端部に段波を伴った泥水の流れとなります。
■地すべり
地すべりは、斜面の一部、あるいは全部が、地下水の影響と重力によって、ゆっくりと斜面下方に移移動する現象のことをいいます。
5度~20度という比較的傾斜の緩い所で発生し、移動速度は、一日あたり0.1~10mm程度と遅く、原形を保ちつつ動くことが多いです。
動きは非常にゆっくりとはいえ、いったん動き出すと、これを完全に停止させることは困難で、また、非常に多くの土砂が移動するため、甚大な被害を及ぼす現象です。
■まとめ
今回は、大雨のときに起きてしまう災害のひとつ、『土砂災害』の種類を3つにわけて簡単にまとめてみました。
近々、土砂災害の前兆などについてもまとめていきたいと思っています。